IVANKA BRAND STORY

小さな美容室の挑戦


この物語は今から数十年前、1980年代のイヴァンカサロンの前身となる小さな美容室でのお話です。
きっかけはシャンプーによる手荒れに悩んでいた時に浮かんだ、ある疑問からでした。

「体の一部である手が荒れるシャンプーが、果たしてお客様の髪や頭皮の健康に良いのだろうか?」 この美容師にしか感じることのできない疑問が、ヘアケア製品「イヴァンカ」とIVANKAサロンメニュー開発のきっかけとなりました。

理想と現実

手の荒れるシャンプーでお客様の髪を洗う事は美容師として間違っている。
正義感にも似た気持ちを抱き、当時取引をしていた美容ディーラーに「美容師の手が荒れない安全なシャンプーを使いたい」と依頼しました。

しかし返ってきた答えは「美容師の手荒れは職業病だから仕方がないですよ」という意に沿わないものでした。当然その答えに納得できるはずもなく、その後も手当たりしだいに美容ディーラー、美容問屋、製造会社に訪ねてみたものの返答は同様のものでした。

  

手の荒れないシャンプーが無いのであれば作るしかない

シャンプーに必要な成分は何なのか?安全な物は何か?人体に悪影響な物は何か? シャンプーについての研究がその日から始まりました。手作りではありますが、イヴァンカの原型とも言える安全性を追及したシャンプーが完成し、サロンで使用している内に美容師の手荒れが次第に治ってきたのです。

この結果に、私達の考えは間違えではなかったと確信に変わりましたが、すぐに次なる疑問が浮かび上がりました。

「私達がお客様の髪を美しくできるのは、月に1回サロンに来店された時だけ。残りの29日はお客様のホームケアに委ねられている。」私達の施術する1日よりもお客様自身がお手入れする29日のほうが、髪・頭皮にとって大きな影響を与えるのは明らかです。

このシャンプーを製品化する事はできないだろうか・・?資金力に乏しい小さな美容室にとって製品化は社運をかけた挑戦となるので、すぐに製品化を決意することはできませんでした。しかしお客様をサロンから見送るたびに心の中で「美容師として誠実な仕事ができているのだろうか?」との思いが大きくなり、「お客様に正直でありたい」この思いを持ち続けようと、無謀とも思える製品化を決意したのでした。

シャンプー開発への挑戦

シャンプーの製品化にあたり、私達は基本コンセプトとして安全性と改善効果を掲げました。
当時からシャンプーは髪の汚れを落とすための物だと考えられていて、流通している一般的なヘアケア製品は洗浄力が高く安価に製造できる石鹸系や石油系の泡を使用し、添加物の力で一時的なツヤを出す物ばかりだったからです。

私達はシャンプーは汚れを落とすだけではなく、髪が本来持っている美しさを取り戻すべきだと考え、旧表示指定成分無添加・無着色・無香料・薬用・弱酸性・アミノ酸系で安全性を追求すると共に、シャンプーとしての既成概念を振り払い、高純度の天然成分を高濃度に配合し効果を追求しました。
この基本コンセプトは開発当初から現在まで、もちろん今後も変わる事のないヘアケアメーカーとしての「こだわり」です。

それから研究を重ねるうちに「ヘアトラブル」の多くが、頭皮環境の悪化が原因だと分かりました。
皮脂が毛穴にたまると毛穴が細くなり、生えてくる髪の毛がやせ細ってしまう。 それと同時に毛穴が曲がりクセ毛の原因になりかねない。さらに皮脂が毛根にたまり、毛根の働きが鈍って抜け毛が増えてしまいます。

また、ただ頭皮の汚れを取るだけでは意味がなく、汚れを取った後、頭皮を弱酸性に引き締めておかないと余分な老廃物を外に排出できず、皮膚呼吸の妨げになるなど「頭皮環境」を原因とするヘアトラブルの改善が美しい髪を作る条件だったのです。

  

理想のシャンプーに欠かせない条件

・第1にpHが弱酸性であること

健康な頭皮の条件に新陳代謝が活発なことが挙げられます。新陳代謝とは、老廃物が体外に排出されることで、この働きは血液がアルカリ性で皮膚表面が弱酸性であることによってスムーズに行われるので、 新陳代謝を活発にするためにも、血液は弱アルカリ性、皮膚表面は弱酸性に保つことが条件となります。

・第2に低刺激であること

洗浄力が強すぎたり、香料やパラベンによる頭皮への刺激、添加成分による毛根やキューティクルへの刺激は頭皮と髪のコンディションを悪化させます。つまり無添加でマイルドな洗浄力が理想なのです。

・第3に適度な水分・油脂量を保つこと

乾燥した髪はツヤもなく、まとまりにくいうえに、不健康で汚れているように見られがちです。実際、傷んだ髪は水分・油分のバランスが崩れているケースが多く見られます。またコシが出にくい髪は油分が多すぎるためにその重さに負けてしまうから。つまり適度な水分・油分を保つことも大切な条件の一つなのです。

理想を形にした製品「イヴァンカ」が誕生

過去に人体に害のあった旧表示指定成分を一切使用せず、全て安全な天然成分で構成し、泡はアミノ酸系の界面活性剤を使用。髪の美しさを決定するキューティクルや頭皮の主成分と同じ天然アミノ酸を配合することで、髪と頭皮に栄養補給すると共に弱酸性へのpH調整が行える。保湿効果としては最高級の天然ヒアルロン酸を一般的な美容液の約100倍に相当する高濃度で配合するなど、美容師たちの願いを形にした、髪と頭皮を健康に保つ必要な条件を全て備えたホームケア製品「イヴァンカ」はこうして誕生しました。

  

サロン技術の改革

私達はお客様の髪を美しくするには、美容室で行っているパーマやトリートメント等の技術メニューも変える必要があると考えました。
髪の表面をコーティングして一時的なツヤを出すトリートメント、ゴムでロットを固定することで切れ毛の原因となるパーマ、薬液で髪を溶かして高温のアイロンで伸ばすストレートパーマ、髪を美しくするはずの美容室で行われているメニューが、実は髪を傷めていたからです。

どうすれば髪を傷めることなくスタイルが作れるのか、試行錯誤を繰り返しIVANKAサロンメニューは完成しました。
IVANKAサロンのトリートメントシステムは、キューティクルの内側・髪のコルテックス内に、それぞれヒアルロン酸と結びついた分子の小さいケラチンを入れ込み、分子の大きいケラチンガンマでタンパク質の流出を防ぎながら最後にコラーゲンで同化させるもの。髪から流れ出たのと同じ天然成分によって修復された髪は、コルテックス内に8~12%のケラチン(タンパク質)を含みキューティクルの閉じた健康な髪に戻ります。

このトリートメントシステムを各メニューのベースにして、髪が傷む原因であったゴムやアイロン、薬液で髪を溶かす施術を排除したことで、美しい髪のまま色々なスタイルを作る事ができるようになり、健康な状態に戻った髪と頭皮の状態を継続させる事のできる製品が開発された事によって、手荒れに疑問を抱きお客様に正直でありたいと願った美容師の思いが形になりました。



その後のイヴァンカ

2001年 アメリカ版「ルージュ」で美容業界のエルメスと紹介される

2007年 社会文化功労賞受賞

2008年 国際グランプリ 世界最優秀商品賞

2010年 Eストアーアワード冬 美容部門第1位

2013年 CENTURION「アメリカン・エキスプレス センチュリオン会員(ブラックカード)会報誌」にヘアケアメーカーとして初めて掲載される

2014年-2018年 高円宮妃殿下ガラパーティーにおいてイヴァンカ製品がお土産となる